【微笑みのキミ】
「エドワード、アルフォンスーーーー!!!!」
遠くの方から、僕と兄さんを呼ぶウィンリィの声。
僕はちょっと、首をかしげた。
いつものウィンリィなら、僕達のことは『エド』と『アル』って呼ぶからだ。
兄さんなんか、
「はぁっ!?一体何の用なんだ、アイツ!」
と、不機嫌な顔してる。
本当に、何の用だろう?
僕らは、それでもすぐに、ウィンリィの所へ向かった。
行かないと、後で何言われるかわかんないしね。
***
「や、ピナコばっちゃん!」
「おぅやエドワード、また縮んだんじゃないのかい?(笑)」
「縮んでねぇよ!!むしろばっちゃんの方が縮んだんじゃねえの?」
「これ以上、縮みようが無いさね。お前はいずれ、このババよりもちっこく(小さく)なるじゃろうて(笑)。」
「ぬわんだとぉ〜〜〜〜?(怒)」
「ιああぁあ!!兄さん落ち着いて!兄さんはそれ以上小さくならないってば!;」
「アル〜〜〜〜(怒)・・・・それはケナしてんのか、それともフォローのつもりか?」
「・・・・・・・・・・・あ。」
「『あ』じゃねええーーーーーーーー!!!!!!!!(怒)」
「うわぁあっ!に、兄さん、ごめん、悪かったってばーーーー;!!!」
「ゆ〜る〜さ〜ねぇ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
バタバタとピナコばっちゃんの周りを追いかけっこ(そんな穏やかじゃない・・・)をしてる僕、アルフォンス・エルリックと、僕を怖い顔して追っかけてる兄さんのエドワード・エルリック。小さい頃にお父さんが出てってお母さんと3人きりの家族だけど、毎日がとても楽しい。
・・・・・・のは、いいんだけど・・・・。これ、いつになったら終わるのかなぁ・・・?
「コラ!!!エド、アル!!!あたしのこと忘れてない!?」
「「ウィンリィ!!」」
階段(上)から登場。
(ありがとう、ウィンリィ・・・・++)
「ちょっと、何二人で遊んでんのよ。待ってたのよ、私達!」
「『待ってた』?」
「『私達』・・・ってピナコばっちゃんと、ウィンリィが・・・・?」
――何の用で?
「違う違う!・・・・ま、いいわ。とにかく、二階に来て。」
「「????」」
ため息をついて二階にあがっていくウィンリィ。
僕と兄さんも、顔を見合わせてウィンリィの後に続いた。
***
二階にあがってみると、その一室で、僕達兄弟は言葉を無くした。
その部屋にいたのは、僕と、兄さんと、ウィンリィと・・・もう一人。
「え?」
「嘘・・・」
「フフン+・・・驚いたでしょー?」
「ああ・・・・」
「び、びっくりした・・・・・・」
(目の前に、ウィンリィが二人いるかと思った・・・・・・・。)
よく見ると、髪の色が違った子だった。
でも、顔は全く一緒。目の色も、ウィンリィと同じ、綺麗なブルー。
髪は、闇夜のような、漆黒。光が当たるたびにキラキラと輝いていて、絹糸のような綺麗な髪。(夕焼けの光で二人とも同じに見えたけど。)
「あたしの母方のイトコでね、・ってゆーの。歳は・・・・アルと一緒よ。
、こっちが兄のエドワード・エルリックで・・・・こっちが弟のアルフォンス。」
「・・・・・・・・・・です。・・・・初めまして。」
鈴の鳴るような涼やかな声、小さな花が咲いたような、可愛らしい微笑みの女の子だった。
それが僕のこの子に対する第一印象。
(可愛い子だなぁ〜・・・///)
「えっとね、この子は、これからあたしとピナコばーちゃんの家族なの。」
「え、どうして?」
「・・・・・・・・・・・・私、、ウィンリィしか・・・家族、いないから・・・・・。」
「「!!」」
家族がいない。=家族が死んだ。
戦争で、沢山の人が戦場へ行って、沢山の人が死んだ。
ウィンリィのお父さんやお母さんもそうだ。
・・・・・・この子も・・・・。。
「暗い顔、すんなよ。」
「!兄さん、酷いよ!!可哀相じゃないか!」
「そうよ、エド!!何てこと言うのよ!!!!」
「・・・・・・。」
兄さんの、冷たい一言に、僕とウィンリィはすぐに反論したけど、兄さんはそっぽ向くし、ちゃんは俯いてるし・・・・。
「だって、さ・・・・・。こんな口やかましい女と、元気有り余ってる豆粒ババアとか、いるじゃん。
だから、その・・・・・・・・っああ、もう!!俺こんなこと言うガラじゃねーっつぅの!帰るぞ、アル!」
そのまま兄さんは大股で部屋を出てって、階段を大きな音を立てて下りていく音が聞こえた。
(兄さんったら・・・・。)
「・・・・良いトコあるじゃない。・・・あたしも先に降りてるよ。」
機嫌良さ気なウィンリィは、嬉しそうに出てった。
「・・・・・・・・・・・・あのさ、キミは『一人じゃない』って言いたかったんだよ、兄さんは。
寂しくなっても、ウィンリィや、兄さんや、ピナコばっちゃんや・・・僕だっているし、さ。
・・・・・・元気、だしてね。」
こそっ・・・と、ちゃんに話し掛ける。
「うん・・・。わかってるよ。・・・・・・・・・・どうもありがとう・・・。ぇっと、・・・・アルフォンスくん」
「アルでいいよ、ちゃん。なんだか、アルフォンスくん、なんて呼ばれると照れくさいし///」
「じゃあ、私もでいい!!」
「・・・・・うん、よろしくね、。」
「よろしくね、アル。」
お互いニコニコと微笑んでいて、ずっと、このままだといいのに・・・・って思った。
僕は、、、、、、、が好きだった。はっきり言うと、一目惚れ。
「アルーーー!帰るぞっ?!」
「あ、ごめん兄さんーー!・・・・・・・・・・・それじゃ、またね、。」
「またね、アル。」
ちょっと、名残惜しかったけど。
僕は軽く手を振りながら、のもとを後にした・・・・。
***
それから毎日、僕と兄さんとウィンリィとの4人で遊んだ。
「おいウィンリィ〜〜・・・・!!」
「エドが悪いのよ!」
「ウィンリィ・・・いい加減に機嫌直したら?」
「おお!サンキュー、!!お前は優しいよなーーー!」
満面の笑顔での頭を撫で回す兄さんに、ちょっと苛立ちを覚えたけど。
・・・・・・それを、嬉しそうな顔で何も言わない。
(何か・・・・・・・・悔しい。)
「だって、ウィンリィすっごく優しいんだもん。もう許してくれるよ。」
(うわ・・・・・/////)
、可愛いから・・・・・・・・////
その笑顔は可愛すぎるんだってば///!近所でアイドルなんだからね!!?(←混乱中)
しかも、それが天然だったりするから・・・・・・っ
「仕方ないなぁ〜・・・・優しいウィンリィさまが許してあげましょう!」
「何かエラそう・・・・」
「なーんか言った、エド?」
「いーえ!何でもございません!!」
「・・・・・あはははは!!」
「ちょっと、アル!」
「オイ、何でそこで笑うんだ、お前は!!!」
「くすくすくす・・・・」
「まで!?」
「だって、」
「ねぇ?」
二人して顔を見合わせて笑った。
だっておかしいんだもん。
仲がいいんだか、悪いんだか。そんな二人を見てるのは、とても楽しい。
***
錬金術を覚えて、初めて練成できたシルバーの『馬』。
でも僕は・・・・ちょっと、には見せたくなかった。兄さんに比べると、すごく下手だし、馬に見えないし。
だけど・・・・・・・・
「これ、カワイイ〜・・・・!お馬さん?」
僕と兄さんの部屋で遊んでるときに、が見つけてしまった。
「!馬に見える?」
「だって、お馬さんにしか見えないよ?」
「!!・・・・・・・・ありがと、。」
うわ・・・・・・・・すごく、すごく嬉しい!!
あ・でも・・・・・。
「あー。それな、アルが錬金術で作った初のヤツだよ。」
「ホント!?アル、すごい!!すごいよ!!!」
嬉しい・・・・けど、、
「で、俺のがその横に置いてあるヤツ。」
「これ?わ〜・・・エドも、すごいんだね!!!」
優しい笑顔。目を嬉しそうに細める。
「・・・・・・・ちょっと、ごめん。」
そんなの横顔を見ていられなくなって、
「え、ちょっとアル!?」
「おいアル!?」
「???アル???」
引きとめようとする2人と、ワケがわからないを放っておいて、僕は部屋を抜け出した。
(・・・・・・・・・・・・だめだ、居たくない。)
―――ソンナ顔シナイデ―――。
兄さんのことで・・・・・・・そんなに幸せそうな顔しないで。
別に、兄さんのことが嫌いなわけじゃない。兄さんが誉められるのは、本当にすごいからで、僕自身、そんな兄さんをちょっぴり自慢にしてた。
(けど・・・・・好きな子には・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
その日、僕が皆のところへ戻ったのは、大分時間が経ってからだった。
***
「いくぞ!」
「うん!」
練成陣を書いて、その真ん中に、二つの材料の山を置いて、
「「せーのっ!」」
バン!!
という音と共に練成陣が紫色に変わり、薄紫の電光が所々で散る。
そして。
練成陣の真ん中で、むくむくと起き上がるように練成されていくモノ・・・―――。
「っきゃああああああああああ!!!!!」
「買Eィンリィ!?」
練成が終わるが早いか、ウィンリィが悲鳴をあげて、
「こんなのいらない!!!!!」
と言い残して部屋を出て行ってしまった。
ウィンリィとにプレゼントしようと思って練成した、人形を残して。
「・・・・・・ウィン、リィ・・・・?」
「・・・・・どうして・・・・」
どうしてウィンリィは逃げたんだろう?
・・・・・せっかく、錬金術で造ったのに・・・・・・・・。
「・・・・・・・あの、ね?」
「!・・・・何、?」
いつの間にか、横に来ていたが、僕を見上げていた。
(・・・・うわ////)
照れと恥ずかしさで、つい顔をそらしてしまう。
「この円の中・・・・もう入っても、平気?」
「うん、大丈夫だよ。もう終わったから。」
は、それを聞くと、恐る恐る、練成陣に一歩を踏み出した。
「・・・・・・・・。」
そして、また一歩一歩、少しずつ歩いていき、人形に手を伸ばす。
・・・・ゆっくり、二つの人形を手にとって、抱きしめるの姿を、僕と兄さんは息を飲んで見ていた。
「・・・・・・・・・・・・・あったかい・・・・・。お日様の匂いがする・・・・v
エド、アル・・・・・・・ありがとう!!大事にするね。・・・・これ、とっても可愛いv」
“ウィンリィにも渡してくるね!”
満面の笑顔のは・・・・・もう、何て言ったらいいかわからないくらい可愛かった///。
(//////////)
「アル・・・・・・って、可愛いよな。」
「うん・・・・・・・・・/////」
***
いつものように、優しげに微笑んでいた母さん。
その母さんが、・・・・・・・・倒れた。
お医者さんを呼んだけど・・・・・・もう、手の施し様が無い、って言われた。
大分前から、母さんは体を悪くしていたらしい。
信じられなかった。・・・・・・信じたく、なかった。
「母さん、死なないでよ、・・・・母さん!!」
「母さん!!!」
ベッドに横たわる母さんの横顔は青白く、より一層、儚く見えた。
僕と兄さんは、必死で母さんに呼びかけていた。
・・・・・そうすれば、母さんを繋ぎ止めれる、と僕達は思っていたのかもしれない。
でも・・・・―――。
「エド・・・・・・・髪飾りを・・・造って・・・・・」
「髪飾り・・・・?」
「よく、・・・あの人が、造って・くれ・・・・・・・」
ぱたり、と力無くベッドの上に落ちた母さんの手。
母さんは・・・・・・・・・死んでしまった。
***
僕と兄さんは、父さん宛に来た手紙に片っ端から手紙を出して、父さんの居所を探した。
母さんの、・・・・葬儀に出てもらう為に。最期まで、父さんを想ってた母さんの為に。
でも・・・・・・・・父さんは来なかった。
「アイツは、来ない。・・・・・・・・アル、母さんを生き返らせよう。・・・・・俺たち二人で。」
「え・で、でも・・・・・あれは難しいって・・・・・・」
「俺とお前なら出来る!!・・・・・・なあ、やろうぜ?」
「うん・・・・・・・・。」
僕らは、それから錬金術の修行に出て、1年後、故郷に帰ってきた。
そしてすぐさま『母さんの人体練成』を行った。・・・・・・・けど・・・。
「に、兄さあぁああぁぁあん!!!!!」
「アルフォンスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
僕は『体』を失った。
・・・・・しばらくして、目が覚めたけど。
その先に僕が見たものは―――――、
「!兄さん!?」
「・・・・ご、ごめんな、アル・・・・・・・・。俺じゃ・・・お前の魂を、鎧に定着させるので・・・・・・・精一杯、だ・・・・」
「な、何言って・・・・・・煤I!!」
――――右腕と左足が無くて、血塗れになってる兄さんの姿、だった。
僕達は、馬鹿だった。
人体練成は・・・・父さんでも無茶だった、『人の禁忌』だった。
「で、でも兄さんがこんなになってまでやったんだ、母さんは!?」
「・・・・・・・・・・・・アレは、人じゃない・・・・!!俺達は、・・・・禁忌を犯したんだ・・・・・・!!」
僕と兄さんで書いた練成陣の中心でうごめいていたモノは・・・・・ただの、肉の塊。
人になり損ねた・・・・肉の塊。
「・・・・・・・ッ!!」
(何の為に・・・・・何の為に、僕らは・・・・・ッ!!!)
僕は、傍にあったベッドのシーツで兄さんをくるんで、嵐の中ロックベル家へ走った。
早く。・・・・早く。・・・・・・早く。
やっとの思いでドアにたどり着き、
「ばっちゃん!!!・・・・兄さんを助けてッッ!!!!!!!!」
ドアを開けた先には、呆然としているピナコばっちゃんとウィンリィと・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・アル?」
目を見開いて尋ねてきた、。
(ああ――――、これで、終わり、だ・・・・・・。)
その声を聞いて、不意に思った。
こんなときに、とは思うけど・・・・・・さ。
は、そのまま走って二階へ駆けて行ってしまった。
それに気付いて、ウィンリィもの後を追った。
(嫌われた、かな・・・・・・。)
そのことで冷静になったのか、ピナコばっちゃんも僕も、動き出した。
兄さんを診察台に運んで、治療してもらって・・・・・・・・・。
しばらく静養してたところに、ロイ・マスタング、という人から手紙が来た。
“セントラルに来て、国家錬金術師にならないか?”という話だった。
「ピナコばっちゃん、俺は・・・・・国家錬金術師になる。
・・・・・・・・・・頼む。・・・・・・・・俺に、自由になる手足をくれ!!」
そして、兄さんは右腕と左足をオートメイルにした。
僕は・・・・・・・・苦しそうにしてる兄さんを見てるだけ。・・・・・・見てることしか、出来ない。
「・・・・・・・・・・アル・・・・、ちょっと・・・・・・いいかな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
“うん、構わないよ。”と答えて、兄さんの寝ている部屋の前を立つ。
・・・・・僕とは、外に出た。風のそよいでる丘で、は立ち止まり、思いっきり背伸びした。
「ん〜〜〜〜・・・・やっぱ、外はいつも、気持ちが良いね。」
「うん・・・・そうだね。」
「・・・・・・・・・あのね!」
「・・・・・何だい、?」
「アルも・・・・・・・・エドと一緒に・・・・行くんだよね、セントラル。」
「うん。・・・・僕も、国家錬金術師に、なるつもりだから。
・・・・・・・兄さんの右腕を失わせたのは、僕なんだから・・・・国家錬金術師になって、兄さんを元に戻したい。」
「・・・・・・・・そっか。・・・・・・・行かないで、とは言わないけど・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・けど?」
「また・・・・・会いに来て、くれる?」
「・・・・・・・・・・・・・?」
今のは・・・・・・・・僕の聞き間違い?
“会いに来て”・・・・・・そう言ったの?・・・・・・・・・・本当に?
それから暫く、僕達は黙り込んでしまった。
ただ、丘の緑が風に揺られて、緩やかな波を作っていた。
長い沈黙のあと、が言ったのは・・・・・
「・・・・私、ね?・・・・・・・・・・・・・・アルが・・・・・好き////。アルが好きなのっ////////」
「///////!!」
「・・・・・・・・・・知っていて、欲しかったの/////。・・・・・・・・私、帰りを待ってるから・・・・。
ずっと、アルを好きでいる事、知ってて欲しかったからっ/////!・・・・・・だから・・・・////////」
絞り出すように、苦しそうに、顔を真っ赤にして叫ぶ。
それを見て、僕は・・・・つい、口が動いていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ホントに?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「・・・・・・・・ホントに、僕を・・・・・・・・・・・・・・・?」
上手く言おうとしても、口が思うように動かない。
いや。上手い言葉が見つからなくて、何を言えばいいのかわからない。
「・・・・・・・私は、アルの事が好きだよ///?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕も。・・・・・・・・・・・・僕も、の事が・・・・・・好きだ。
ずっと、・・・・・・ずっと、の事が、大好き。」
「・・・・ほんとっ?!」
「うん//////」
頬を紅潮させて、キラキラ輝くの瞳。
そんなは、・・・・・・いつにもまして、可愛かった。
「でも・・・・・・僕は、身体・・・・人じゃないし・・・・・・・」
「・・・・身体は、鎧に魂を定着させたからでしょ?それだけで、アルはアルだよ。」
「でも・・・・・・・・・・・・・は、嫌い・・・・なんでしょ?この・・・・鎧の体。」
「そんなことない!!!」
「じゃあ・・・・何で、逃げたの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああすれば、ウィンリィも、おばーちゃんも・・・・動き出すでしょ?
私には・・・・・ただ、祈るぐらいしか出来なかったから、・・・・ずっと、二階で祈ってたの。」
「一階じゃなくて?」
「・・・・・邪魔になるといけないと思って。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
は、ずっと深い所で、物事を見ていた。
ちゃんと、僕と兄さんの事を考えて、の行動だったんだ。
「・・・・・・・・・・じゃあ、嫌いじゃ・・・・ない?」
「当たり前だよ!!!!
・・・・・・・・それにね、私・・・・・・・・・・・・・鎧って好きだよvv」
「・・・・・・・・・・・本当っ!?」
「カッコよくて、好き。・・・・・・・・・・・アルだから、もっと、好き//////」
「///////ありがと、。・・・・・・・・・・・・・・・・僕も、の事が好きだよ/////」
また二人して、見つめ合う。
そして、ただ微笑みを交わす。
・・・・・・それが、僕との、絆の証。
***
出発の日。その日は、とうとうやって来た。
僕と兄さんは家を焼き、旅立つ事にした日。
「アルーーーー!!!」
「!・・・・・。」
遠くの方から、が走ってきた。
「・・・・・・・・村の入り口で、待ってるからな。・・・・・・・行ってこいよ。」
「兄さん・・・・・。」
「・・・・ほら、彼女が待ってんぜ♪」
「に、兄さん////!!」
嬉しさ半分、照れ半分の僕を、兄さんは笑いながら一人、ゆっくりと村の入り口に歩き出した。
(・・・・・・兄さん、・・・・ありがとう。)
「・・・・・はあっ、はあっ・・・・・・。」
息を切らしてやってきたは、手に、道具袋のようなものを持っていた。
「・・・・・・・っはぁ、・・・・っぁ・・・・あのねっ・・・・・・これ!!!」
は、まだ息を切らしたままで、言いながら手にもっていた袋を僕に差し出した。
・・・・・・・・それは、思っていたより重くて、中を見ると・・・・
「・・・・・・・・・、これ・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・はぁ〜〜・・・・・。やっと、落ち着いた・・・・・。ん、なあに??」
「この、袋の中身・・・・・・」
「鎧磨きセットだけど??あとね、油さしとか・・・・・」
指折り数えているの姿は、とても可愛らしいのだけど。
・・・・・・・って・・・・こんな子だったっけ?
「・・・・・・・・・・・って・・・・・こういうの、好きだったっけ?」
「・・・あれ?・・・・・・・言ってなかった?私、こういうの、大好きだよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピナコばっちゃんと、血繋がってたっけ?」
「ううん。ウィンリィだけだよ。」
(・・・・・・・・・・偶然?偶然だよね。うん、偶然だよ、きっと!!!)
「ウィンリィのお母さんと私のお母さん、双子でね。私もウィンリィも、お母さん似で・・・・・容姿とか、似てるでしょ?」
「えええ!?」
(ウィンリィと、のお母さんが双子で・・・・・二人とも、そのお母さんに似てるんだから、・・・・・・そっくりなのも、当然だよね;。)
「私の髪はお父さん譲りだけど・・・・・機械が好きなのは、お母さん譲りなの。・・・・勿論、ウィンリィもね♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だからか(納得)!
「・・・・・・じゃあ、僕を好きなのって・・・・・・・」
「あ・それは関係ないよ!!・・・・・小さい頃から、ずっと・・・・好きだったんだから。
でも、アルは・・・・私の事、嫌いなのかと思ってた。」
「・・・・・・・・・・え?」
「・・・・・・優しかった。けど、、・・・・絶対、真横には居させてくれなかったでしょ?
てっきり、嫌われてるのかと思ってた。」
「そんなことないよ!!!!!その・・・・・ドキドキして・・・・横に居れなかったんだ・・・・僕が//////」
「そ、そうなの?////////」
「うん/////////」
また、沈黙が流れた。
・・・・けど、それは長くは続かなかった。
「アルーーーーー!」
「伯Zさん!!?」
兄さんが、僕を呼んでた。
そんなに・・・・時間が経ってたのかな?僕は・・・気付かなかった。
「・・・・・・・・・・行ってらっしゃい、アル。」
「・・・・・・・・行ってきます、。」
ニコ。
優しげな微笑みで、僕を見送ってくれる。
・・・・・・・・・・・・・そのを残して、僕と兄さんは旅立った。
―――――――――いつか、ヒトになって此処に帰ってくるんだ。・・・・・・・絶対。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき。
HP開設おめでとう!!!・・・・・遅くなってごめんね;
とりあえず、完成しました。初・鋼夢!!アルドリとなっております☆
・・・・・・・・けど、これ、途中でエドに変えられるかも・・・・とか思ってました(駄目じゃん)。
最近のTV版の鋼に少し影響されて書いていたのですが、やめました。
代わりに、またいつか、この話の続編を書くかもしれません(いらないって。)。
拙いものですが、どうぞお納め下さいませ。
友、ゆたかちゃんへ、龍蘭 暦より愛を込めて・・・・(ゲ;)。
2004.3.19
あとがきパートつぅ〜。
この話は、前のサイト『the light』のときに頂きました♪
そこはいったん閉鎖(とゆーか強制終了)してしまったので、改めて載せてみました。
一番最後のオチに独り笑いを噛み殺していたのも良き思い出かな…。
暦ちゃん、本当にありがとうね。君はきっと末長い友達よ(ちょっとキザ風)
そしてさん。ここまで読んで頂いてありがとうございました!
ゆたか 2004/11/10